【マスク】
大規模自然災害時の避難所における感染症抑制に向けて
スリーエムジャパン株式会社
安全衛生製品学術部
大規模自然災害時には一時的に避難所生活を強いられることがあり、集団生活のストレスや将来への不安など様々な問題に直面します。
その中で危惧される問題のひとつとして感染症があり、人を介して感染が蔓延するインフルエンザ、麻疹、風疹、結核などの感染症が上げられます。
これらの感染症は、感染者の席やくしゃみなどに伴い口から排出された病原体が様々なものに付着し、他者がそれに触れることによって拡大したり、口の中に侵入することにより広がっていきます。
出典:日本環境感染学会 大大規模自自然災害の被災地における感染制御マネージメントの⼿⼿引 アドホック委員会 被災地における感染対策に関する検討委員会報告より
感染成立の三要件について
感染は感染源x 感染経路x 感受性の3 要件が揃ってはじめて成立します。
サージカルマスクは、感染源である人の「つば」や「咳」、「くしゃみ」などが外部に飛び散ることを低減する目的で使用されます。結果、感染経路遮断が期待できます。
出典:フィットテスト研究会 感染対策としての呼吸用保護具 フィットテストインストラクター養成講座テキストより
過去の災害でも厚生労働省や国立感染症研究所、日本感染症学会、日本環境感染学会などから感染症への注意勧告がなされており、平成23 年7 月25 日 厚生労働省からは「被災地での健康を守るために」において以下の項目が示されています。
「発熱・せきなどの症状がある方は、避難所内に風邪などの病気を流行させないために、軽い症状であっても、マスクを着用しましょう。長引くときには結核などのおそれもあります。」
避難所等、不特定多数の方々との共同生活では、サージカルマスクなどを用いて感染を拡げない為に協力し合うことが大切です。
症状の出ない患者さん(不顕性感染患者)もおられますので、ご自身は問題ないと感じていても感染しており、他人に迷惑をかけることがありますのでサージカルマスクを着用されることが推奨されています。
サージカルマスク使用における期待される効果
●病原菌が含まれた咳や唾液の飛散などからの飛沫感染対策
●着用者からの周囲の人への感染対策
●咳エチケット
着け方
1. ノーズバー(針金)部分をつまみプリーツが下に向く面が表側になります。
2. ノーズバー(針金)部分を接顔側に曲げて鼻の形にします。
3. ゴムひもを耳にかけます。
4. ノーズバー(針金)部分とサージカルマスク下側(あご部分)摘んで拡げます。
5. ノーズバー(針金)部分を両⼿の人差し指などでしっかりと押さえ鼻の形に合わせます。
6. サージカルマスク周辺を軽く押さえつけて、顔に馴染ませます。
◎鼻やあごが露出している状態は正しい使用方法ではありません。
外し方
※使用されたサージカルマスク表面(不織布部分)は汚染されていますので、不織布部分を触らないように外してください。
1. 両⼿の人差し指を耳たぶの下辺りに置き、そっと指を下に滑らせゴムひもに引っ掛けます。
2. ゴムひもを静かに左右に適度に拡げ、耳から外します。
3. ゆっくりと前方に移動させながらサージカルマスクを外します。
4. ⼿洗いを実施します。
廃棄方法
※汚染されたサージカルマスクを室内に放置したり、ポケットなどに入れることは感染を拡げる要因になります。
1. 不織布部分に触れることなく密閉できるビニール袋などに入れ廃棄してください。
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